組織の〈重さ〉―日本的企業組織の再点検
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ジャンル: | 本
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セールスランク: | 25288 位
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発送可能時期: | 通常24時間以内に発送
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参考価格: | ¥ 3,990 (税込)
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メタボ組織のダイエット方法
本書は、ミドルマネジャーの相互作用を通じて実現される「創発戦略」という日本企業の強みが、最近は機能不全に陥っているという問題意識のもと、機能不全を引き起こす組織構造・組織特性を明らかにしようとしている。具体的には、創発戦略の創出と実行を妨げる相互作用プロセス・組織内調整の難しさを「組織の重さ」と定義し、それを促進する要因を抽出している。検証方法としては、花王など18社の107事業単位を対象に大規模質問票調査を実施し、統計分析している。
結論は、以下の4点である。第一に、軽い組織は有機的組織と機械的組織の共存が見られること。第二、軽い組織には、タスク志向かつ人間関係志向のリーダーがいること。第三に、上記リーダー行動は組織構造に依存する面もあるが、組織構造にかかわらず望ましいリーダー行動をとれること。第四に、組織リーダーとメンバーとの認識ギャップを埋めるには、本社スタッフの役割が重要であること。
本書の貢献は、第一に、組織の重さという概念を提示したこと。第二に、大規模な質問票調査から結論を示していることである。今後、調査が継続されて、時間的推移が分析されると、その価値は増すであろう。
一方、課題としては、結論から導き出せる示唆が乏しいことである。従業員の平均年齢が上がったり、創業からの年数が高いと組織は重くなるため、その改善はなかなか難しそうだ。
本書は、研究者向けである。実務家が読む場合は、1・2・9・終章を読み、その他の章は興味のあるところだけ読めばいいだろう。
実証の〈重み〉が感じられます。
経営に関する本では、
経営者・コンサルタントの著作であればまだしも、
アカデミックな研究書であっても、
恣意的で少数の事例からの帰納か、実証のない「べきである」でまとめられているものが多い。
その中にあって、丹念なデータ分析に基づいた本書は稀有な存在である。
日本の企業という身近にある観察対象をじっくりと見つめなおし、
ブームやプロパガンダではない、きちんとした研究成果として評価できる。
日本企業の経営実態は、
80年代後半に、相対的なパフォーマンスの良さから、
世界をリードする“日本的経営”と礼賛され、
バブル崩壊とともに、諸悪の根源にまで貶められた。
この10年、多くのコンサルタントや経営学者が
その良し悪しを真摯な姿勢で見つめもせずに、あれこれしなければならないと説いてきた。
そして、そのほとんどは、「アメリカでは、こうしている」という、
なんとも寂しい話ばかりであった。
本書は継続的に行われるプロジェクトの第一弾としての成果物であり、
今後の分析研究が期待される。
無益とは思わないが・・・
NHKの番組に「海外安全情報」というのがある。
その内容は危険に関する情報ばかりなのに、
なぜ「海外危険情報」ではないのか。
それと同じ理由で、本書の題目は
『組織の<軽さ>』とするべきか。
管理の本質は、剛柔のバランスであり、
また、公式・非公式な関係の共存でもある。
(本書でもそう述べられている)
であるなら、軽重のバランス、
あるいはそのダイナミクスを解明する必要がある。
質問票による測定に意味がないとは思わないが、
短期・中期・長期の財務データ、
失敗作を含む全商品のリスト、
経営陣の履歴と具体的な相互の人的関係、
流入・流出した従業員・役員の追跡、
これらの客観データだけからでも、
軽重を分析・評価できるのではないか。
(山本七平『日本人と組織』「索引化」を参照)
本書に関してもっとも大切な点は、
「組織」の定義がどこにも示されてないことである。
それなしに、軽重を分析する意味があるのか。
組織の通信簿
本書の冒頭における、実証的組織論研究の停滞についての整理は非常に重要であると思う。アメリカ流の経営戦略論の日本への導入が進み定着し、経営戦略論から技術経営論へと進んでいく一方で、地道な組織特性、組織の具体的様相を研究することがおろそかにされていく様がサーベイされている。このところの組織論というと、ゲーム理論、契約・情報の経済学を使った、新制度派経済学的研究ばかりが目に付いた。
しかし、藤本隆宏教授のアーキテクチャ論が生産現場の実態を分析する視点として定着しつつあるなか、組織論においても実証化の波が来そうな気配。
このような研究にキチンと資金が配分されると、この国の企業統治、組織統治の度合いを測る適切な「通信簿」への道が開かれるのではないかと思われるのです。
日本経済新聞出版社
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