戦略なき組織に明るい未来はない
ソフトウェアをビジネスとする企業が取るべき戦略について米国の事例研究を元に語っている。 開発プロセスのベスト・プラクティスについてもマイクロソフト、IBMやSEIを例に取り上げていて、 非常に参考にできる。ページ数が多く、読み応えがあることがいい点でもあり、一気に読めないため難点でもある。 (そのため評価を下げました。再度読むと評価はひとつ上がるかもしれません。) 自社の置かれている立場により、参考にできる度合いが異なると思うが、多くの日本の ソフトウェア企業に欠けている戦略面の視点が得られるのでは。
ソフトウエア開発の上で開発になることも多々です
大きく3つでしょうか。 1つは、製品開発型の企業、サービスを提供する企業、その両方を提供する企業にわけて、その戦略(市場、企業の方向はどうあるべきか、競争戦略、資源の蓄積など)等を歴史を振り返りながら、分析しています。また、各タイプの企業が、今後どうあるべきか、の意見が述べられています。 2つめは、本職のソフトウエア開発を成功させるには、どのような組織で開発手法を取ればよいのか、をマイクロソフトやネットスケープ、IBM、日本企業の例等を引き、分析してあります。 3つめは、ソフトウエアのベンチャー企業が成功するためには?というものです。筆者がかかわった企業の事例が10個ほど詳細に解説され、その中で、筆者達の考えた成功のためのチェックリストがどれだけ有効化を検証し、また、成功要因を探ります。 その他、海外へのアウトソーシングの話題等もあります。日本企業の開発手法や、これまでの戦略について、触れられているところが多かったです。 個人的には、マイクロソフト等のソフトウエア開発の様子が、リアルに描かれていて、参考になりました。 経営等の前提知識は、あった方が良いですが、なくても楽しく読めます。SEさんにも、参考になるところが多々あるのでは、ないでしょうか。
事例を中心にソフトウェア企業特有の戦略を解説
約450ページにわたって、ソフトウエア企業の戦略から方法論、そして精神論に至るまで、事例を中心に事細かに解説されています。著者自身がMITの教授であると同時に、コンサルタントや取締役として活躍されていることもあり、1つ1つの事例(ケーススタディ)が非常に示唆に富んでおり、説得力があるものになっています。 ソフトウエア企業の経営者だけでなく、ソフトウエア企業に何らかの形で携わっている方全てにお勧めできます。 ただ読みやすさという観点から言いますと、難しいと言うほどではありませんが、入門書のように気軽に読めるものでもありません。ある程度腰を落ち着けて読む必要があると思います。最も、それだけ内容が濃いとも言えます。 あと日本語訳に関して多少誤植があったことが残念です。
ソフトウエアビジネスの参考書
パッケージビジネスを生業とする会社にいますが、ちょうど事業計画を立てている時にタイミングよく出版されました。まずは、翻訳された有志の方々に感謝いたします。大変厚い本ですが、第二章と第四章だけでも参考になります。今一度、自社のビジネススタイルと比較すると有意義かと思います。欲を言うと日本での成功企業(サイボウズなど)についての分析もあれば申し分なかったのですが。まあ、グローバルに進出するレベルではないので致し方ないかもしれません。あと残念ながら誤植がいくつかあります。特に冒頭日本の企業を分析した表の中で会社名を間違えていたりしてちょっと残念でした。
ソフトウェアは「ビジネス」だということを再確認
クスマノ先生は、親日家でも知られているMITスローンの教授ですが、日本人のソフトウェアに従事している我々に宛てた、重要なメッセージだと思いました。ソフトウェアを「ビジネス(商売)」と考えている日本人は確かに少ないと感じます。各書店のソフトのコーナーには、ソフトウェア業界の経営戦略論を言及している和書は、本当に存在していなかった。まさに待望の書と感じます。これをきっかけに、ソフトウェアをビジネスとして軌道に乗せるためには、どうすべきかを考えてみるきっかけをもらったような気がします。ソフトウェアのMOT論をしっかりと言及している優れた教科書です。実際、MITスローンのクスマノ先生の講座では、その原書は教科書になっています。最後に、ボランティア精神みなぎる翻訳者のご尽力には頭がさがります。必ずしも翻訳者の皆さんすべてが、ソフトウェアがご専門ではないにもかかわらず、そのバイタリティーに多謝。まさに、MOT精神そのものですね。
ダイヤモンド社
ソフトウェア最前線―日本の情報サービス産業界に革新をもたらす7つの真実 ソフトウェアビジネスの競争力 プラットフォーム・リーダーシップ―イノベーションを導く新しい経営戦略 キャズム MITスローン・スクール 戦略論
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